何故なのか自分でも分かりかねるが、私は毎回 'travel blue' に陥る。
2ヶ月前には毎晩ドキドキしながらe-travelを楽しむのに、出発の日が近づくにつれ、旅を決意した自分自身を信じられなくなるほどに気が沈む。
しかし、日常から非日常への移行儀式のような成田へ向かう長い時間に、徐々に億劫さは払拭され、純粋な興奮と共に成田に着く。
というのがパターンだ。
今回もそのパターン通り、travel blue の私がいた。地図帳の東南アジアと南アジアと東ヨーロッパのページをカラーコピーしただけ。出発直前に徹夜で荷物を詰め込む。実家の岐阜から、住之江のおばちゃんの家に一晩お世話になり、帰り時期を言い出せないまま、関空へ。
・・・あれ。移行儀式が短すぎたか。はたまた今回は6か月だという気負いのせいだろうか。まだtravel blueだった。
最後まで日常にしがみつくかのようにドクターマリオに没頭していると、あっという間に、ねっとりとしたバンコクはDonMuang空港に着く。
現地人利用のバスで十分すぎる洗礼を受けて、カオサンへ。国籍関係なく、からまった毛糸玉みたいな頭をして、洗ったらよく色落ちしそうなタルタルの服を着て、穴だらけの体にピアスをひっかけたパッカーたちが、国籍ごとに屯している。
お寺の近くで、野良犬が二匹、結ばれたまま離れなくなってキャンキャン鳴いていた。三匹目がその結合部分に鼻をくんくん寄せていた。無感動にそれを眺めて宿に帰り、無感動に水シャワーを浴び、水道水を一滴たりとも飲み込まないように気をつけて歯を磨いた。
・・・あまりに使い古されたスタートをとったことで、一連の旅作業をこなしている、という感覚に襲われていた。。
Posted by asummer