November 03, 2004

天翔ける風に

舞台は幕末、激動の時代。
女塾生の英は、自分の夢の実現をその貧しさに阻まれている。
「一人の悪人を殺しても、万人の善人を救う」という信念のもと、
高利貸しの老婆と偶然居合わせた妹を殺してしまう。
次第に警察官に追い詰められていき、信念が揺らいでいく英。
彼女を心配しつつも、自ら時代の渦に巻き込まれていく友人。
お金のために人殺しをする父親、家族のために政略結婚しようとする妹。
様々な人間の思惑が交差する中で、時代が大きな変革を迎える。

野田秀樹作の「贋作・罪と罰」(ドストエフスキーの原作をモチーフにしたもの)のミュージカル版。
今まで私が見てきた数少ないミュージカルの中で、一番好きな作品です。
ミュージカルというと、歌って踊って誰かがくっついて最後はハッピーエンドというのが私のイメージでしたが。
この舞台においては、登場人物の心理描写がしっかりと描かれていて、
歌もじーんとくるものばかり。
自分や誰かのために必死に生きているのに、
悲劇的な展開に向かってしまうのが泣かせます。
特に主人公のパパ!
最初は金のため、次は家族のため、最後は自分が生き延びるために人を殺そうとし、
結局娘の大事な人を暗殺してしまう彼はこの中で一番悲しい人といえるかも。
彼の「生きたい」という歌に、心を動かされない人はいない・・・はず。

満足度★★★★★

野田さんの最新作、「走れメルス」を当日券狙いで見に行こうと計画中。

Posted by asian at November 3, 2004 09:44 PM
Comments
Post a comment









Remember personal info?