February 6, 2007

田宮版「白い巨塔」観了

先ほどやっと田宮版、見終わりました!(巨塔ネタの発端はここ。ネタばれありなので、注意!)
31話、長かったですが、楽しめました。12月に上海に遊びに来てくれた友人がDVDに焼いて持ってきてくれたおかげです。

とりあえず忘れないうちに感想を。

率直なところ、唐沢版の方が面白い、と思いました。その理由としてまず、カメラワークやコマ割り(っていうのかな)、音響効果などのテレビドラマ作りの技術的な問題があったと思います。つまり、やはり今の方がそういう「みせる」ための技術が進歩しているわけで、そのせいか、どうも田宮版の作り自体に物足りなさを感じてしまいました。

それから、こっちの方が重要なのですが、かなり自分の中で期待の高かった田宮二郎の演技が、ちょっとどうよ?、という印象でした。はっきり言って、彼、ダイコン役者?と思ってしまったのですが、その辺、巨塔ファンの方々いかがでしょうか?棒読み、しかも、笑顔がいつも引きつっていたような。そのせいで、どうも十分に入り込めなかったというか、財前五郎という人物に全然魅力を覚えることなく終ってしまいました(唐沢版を見たときには、財前五郎のあくの強さやその野心的生き方にある魅力を感じたのですが、田宮版財前には、ただの小さな悪党という印象のみ……)。

ただ、里見助教授については、よく言われるように、確かに田宮版の山本学の方が江口洋介より圧倒的によかったです(それから、花森ケイコも太地喜和子(さっきまで島田陽子かと勘違いしてました)の勝ち→この辺かなりマニアックになってしまってますが)。が、この山本学のよさも、田宮二郎のさむい演技のために、不完全燃焼のまま収束していった感否めずでした。。。

うーーん、あまりにも期待が高かったせいかな?
でも、もちろん見てよかったです。

あと残すは、66年の映画版!さっき、この出だしをちょっと見たところ、この田宮二郎はとても精悍できびきびしていて、悪くなさそうでした。かなりディープなファンになりつつある自分としては、これもとても楽しみです。(水谷、ありがとう!)

巨塔ファンの方、ご意見もらえたらうれしいです!



Posted by ykon at February 6, 2007 11:54 PM | トラックバック
コメント

近藤君

コメント読みました。う~ん、残念。

田宮版のグロさを推した小生としては残念の一言。

音響やカメラワークはしょうがない。これは40年前のSF映画と現代のSF映画を比較するようなものだから。

当時の時代背景やストーリー的にはむしろ古臭いカメラワークがより活きるとも思うのだが。

しかし、田宮の演技についての感想はショック!

彼は当時、クイズ「タイムショック」の司会をやっていたのだが、山口崇が2代目司会として引き継いだときも、誰もが「やはり田宮のほうが良い」と叫んだものである。

流体研の近藤君の後輩に当たる修了生もかつて、「母は圧倒的に唐沢版よりも田宮版のほうが良かったと言っていた」と言っていた。

ジェネレーションの違いによるものなのか?

田宮の演技は文章にたとえるなら、「行間を読む」ことも必要かもしれない。

例え話になるが、クラシックのCDを聴くと、初めて聴いたCD(演奏)が一番の愛聴盤になり、その後同じ曲の他のCDをいくら聴いても(いかに名盤と言われているものでも)、あまり良いとは感じない、ということは良くある。

近藤君の初めての巨塔が「唐沢」だった、小生の初めての巨塔が「田宮」だった、だけの違いなのかもしれない。

Posted by: かけぴょん at February 7, 2007 3:49 PM

>かけぴょん

いやあ、熱いコメントをどうも!
田宮ファンのこういうコメントを聞きたいと思ってました。特にかけぴょんの言葉にはただならぬ情念を感じ、これも田宮二郎の力によるのかな、と思ったり。

カメラワークなどは、確かにしょうがないですよね。そこは本質的な問題から当然差し引いて考えないといけないなとは思ってます。

田宮の演技については、うーーーん、やはり、かけぴょんのいうとおりどちらが初めてだったかによるのでしょうか……。そんな気がしますね。

確かにあれを当時オンタイムで見ていたら随分と印象は違ったかもしれないなとは思いました。

それぞれ初め見た方に好印象を持って、次に見た方が劣って見えるということは、それは結局、田宮版にしても唐沢版にしても、巨塔を初めて見た人には強いインパクトを与え、心に残る作品であり、後から見たものより良いと思わせるほど、いい出来ということなのかもしれませんね。そう解釈したいなあ~。

ちなみに今日、田宮映画版を途中まで見ましたが、この田宮二郎はなかなか好きです。精悍だし、ギラギラ感満点だし、しゃきしゃきしてるし、自分で自分の野心を実現させようとする強い意志を感じます。それを見ながら思ったのですが、ドラマ版の田宮はどうも、困ったらすぐ又一に泣きつくただのボンボンという感じがして、なんとしてでも自分で自分の野望を実現させようとする力強さに欠けているように感じた、ということに気付きました。


Posted by: こん at February 8, 2007 1:06 AM

自分の中で、日本在留10年間、自信を持って中国友人にオススメできる日本ドラマは木村拓哉, 山口智子の「ロングバケーション」と、唐沢版の「白い巨塔」!(田宮版「白い巨塔」見てないので、ノンコメントさせて頂きますが)

山口智子、木村拓哉が演じるキャラクターがとにかく自然体で生き生きして、その辺、残念ながら中国のラブドラマには欠けているものだった。久保田利伸とナオミ・キャンベルが歌う主題歌も聞くたびに元気がもらって、とても好き(ララ、ララ~)

財前を演じる唐沢寿明、その演技力に圧倒された。彼が財前五郎そのまま!あくの強さとその野心はもちろん、腕の高さとともにその極めて高い自尊心、欲望と利害が渦巻く医学界の圧力に頭が下げなければならないときあのあむを得ない表情、頭が下げるがけして屈服するつもりがない意地の強い目、成功に近づいたときあの有頂点になる笑顔・・・「彼が癌じゃなかったら、この男、どこまで上り詰めるだろう」とつい、思わせるような演技だった。

里見役の江口洋介は、いい男過ぎる感じがしないでもないので、現実味が薄かった。

特定の社会背景に人間模様を鮮やかに切り取ったこの小説はこれからも色あせないでしょう、原作者の山崎豊子も言ってたように、50年前の小説は50年後も人気を得るということは、大学病院の内幕はこの50年で改善されていないということではないでしょうか。これからも・・・?


※ここで余談ですが、好きな日本俳優(山口智子、唐沢寿明)
実は夫婦だと知ったとき、本当にビックリした。そして、なろほどと思わず微笑んだ。

Posted by: buye at February 8, 2007 11:44 AM

>buyeさん

ロンバケ、懐かしいなあ~。あれももう10年以上前のドラマになるのかな?あの二人は確かになかなかいいコンビでしたよね。

ぼくも基本的に唐沢、好きです。彼が出てると見たくなるし、巨塔見てさらにそういう気持ちが増しました。唐沢の財前には、どこか共感できる魅力も感じたし(田宮版ではそれを感じられなかったのが残念)。

いまやってる「華麗なる一族」はどうなんでしょうか?あれも山崎豊子の大作だし、力入ってそうで楽しみです。中国でももうすぐDVD出るかな……?

Posted by: こん at February 11, 2007 9:54 PM

「華麗なる一族」はまだ見てないが、興味がある。
一気で見たいので、中国でDVDを購入する予定。

最近中国の所謂「大片」映画、「無極」「黄金甲」にかっかりした!折角の名俳優が出演するのに、きちんとした脚本がどこでもない!見るには時間の無駄だと覚悟しとかないと・・・

歴史と暴力以外、中国映画は本当にもう売りがないでしょうか・・・残念、無念・・・

Posted by: buye at February 15, 2007 10:56 AM

>buyeさん

中国のそういう大片映画、実はあんまりみたことないんですよ。確かにオオアジな歴史アクション映画ってイメージで……。

映画館に行ったのも、チャン・イー・モーの「千里走単騎」だけなような。それは昆明にいた頃で、昆明の友達がエキストラで結構出てたってこともあって(上海は、DVDに比べて映画館が高すぎ……)。

Posted by: こん at February 15, 2007 11:12 AM

お、やっと見終わったか。全31話は長いよね~

どんな感想を持ったにせよ、上海に持って行った甲斐がありました。唐沢版と田宮版、どちらがよいかというのは本当に個人の好みだと思うが、自分の場合、原作→田宮→唐沢という順番で見たせいか、田宮版の勝ちだったなぁ。決め手は里見助教授の配役かな。こんな研究者がもっとたくさんいれば大学が魅力的な場所になるのかもね。あ、別に今でも十分に魅力的な場所だけど(笑)

そのようなわけで、今やっている「華麗なる一族」も脇役にどうしても目がいってしまいます。北大路欣也は感じ出てるね(原作とはちょっとイメージ違うけど。。。)

Posted by: ブレーメンの音楽隊 at March 5, 2007 2:17 AM

>ブレーメンの音楽隊さん

お、元気か?いやあほんとにおかげさまで楽しませてもらったよ。なんだかんだいいつつ、ほんとに見られてよかったし、感謝してます。確かに、初めに見た方のイメージがやはり強く残ってしまうっていうのがあるのかな。ま、ってことは、両方ともやはり名作だったってことなんだろうな。ちなみに、おれは唐沢→原作→田宮→田宮映画。映画版は、やはり短すぎて内容的には舌足らず感が否めなかったけど、あの田宮二郎は迫力あっておれ的にはなかなかよかったです。ギラギラ感がね。

里見助教授は確かに、田宮版がよかった。彼にはなかなか心打たれるものがありました。脇役大事だよね。
華麗なる一族、こっちで出るの楽しみ。

ところで、ドイツはどうなった?

Posted by: こん at March 5, 2007 5:48 PM
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