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- November 2002 Archives -

at Yangshuo, China (広西省陽朔) on 12/Jun/1999

Posted by snotch at November 1, 2002 2:36 PM

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自転車をかりて月亮山という小さな山を目指す。田圃のなかのだだっ広い道を走る。月亮山、誰が名づけたか知らないが英語名は Moon Hill。なぜかというと、山の真中に半月状の穴がぽかっと空いているから。この山、見た目以上にハードです。湿度が高く、目の中に汗が入ってくるほどの量の汗をかく。月型の穴、実際にその場へ行くと、下から見るよりもずっと大きい。

頂上を目指して歩いている途中、割れてから間もないと思われる岩が地面から突き出して露出していた。普段外側に見えている灰黒色の岩の表面下には、真っ白に輝く半透明の岩石が隠れていたのだ。ぽこぽこと山が連なるこの風景、もし空気が無くて表面が酸化しなければ、クリスタルの剣山が果てしなく林立するような、とても素敵な光景なのかも、と想像してしまった。



月亮山のチケット裏
月 亮 高 高 桂 山 头

鸭 子 觅 水 不 抬 头

卧 虎 当 中 守 九 牛

美 女 梳 妆 在 后 头

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at 広西省陽朔 on 13/Jun/1999

Posted by snotch at November 2, 2002 4:16 AM

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 富利(Fuli)という村を目指して貸し自転車をこぐ。このあたりを探索するのには、スピードの面で自転車がちょうど良い。それぞれのぽこぽこ山の東側の袂に、たいていちょっとした集落があって、その周りに田圃が広がるというパターンが続く。最初は見慣れない風景なので良いけれど、こう同じパターンがずっと続くと、さすがに飽きてくる。どこまで行ってもぽこぽこ山の連続だ。
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Oden コンビニおでん

Category : [Fun]
Posted by snotch at November 2, 2002 11:59 PM

021102_logo.gif帰宅が深夜になると、どうしてもコンビニに依存してしまう。一人暮らしの学生が、深夜にアツアツのおでんを食べることができるなんて、10 年前には想像もつかなかっただろう。決してコンビニを賞賛する立場ではないが、おでんの功績は大きいと思う。
四国出身の僕としては”みそだれ”が欠かせなかったのだけれど、いつのまにかすっかり関東風コンビニおでんに馴化されてしまった。それでも、牛筋が無い日はちょっと悲しい。

at Yangshuo, China (広西省陽朔) on 14/Jun/1999

Posted by snotch at November 3, 2002 12:01 PM
中国を旅していると、語学留学中の日本人によく出会う。当然のことながら、彼らは僕よりもずっと流暢な中国語を操るので、彼らの後をついていったり、彼らと中国人を交えて会話をすると非常に得るところが大きい。

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宿のカフェで、留学生と中国人の女子高校生がしゃべっているところにお邪魔した。日頃、何が楽しい?などと、取るに足らない質問を投げかけていた。そんなやり取りの中、「日本がどこにあるか知ってる?」という質問に対して、「えっ?」というような顔をするのでどうしたのかなと・・。すると、留学生の彼が、「彼女、日本が中国の一部だと思っているみたい」と教えてくれた。本当にそうだと思っているのか、あるいは、本当は日本が独立国家だということを知っているけれどそう思いたくないと言っているのかは、大きな違いだ。そこで、「どうして日本が中国だと思うの?」という問いを発してみたところ、「日本の天皇陛下は中国人にそっくりじゃないのよ」という答え。つまり、後者である。天皇陛下という言葉が出てくる辺りから、教育の一環でそう教えられたのだなあと推測できる。中国で、どれくらいの人々がそう思っているのかはわからないけれど、この場所で出会った女子高校生がこういうことを言ったのには少々驚いた。

at 広西省陽朔 on 15/Jun/1999

Posted by snotch at November 4, 2002 6:09 AM

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 旅行者にとっては居心地が良いのか、この街には長期滞在者が多い。中国では、外国人が泊まってよい宿とだめな宿があって、中の下クラス以上の宿のみが少ない選択肢として外国人に提供される。それらの宿は立地的に分散していることが多く、普通の街だと大抵は、外国人は数件の宿にまとめられて分散する格好となる。宿を選ぶ自由はほぼ無く、宿が通りに集まるということもない。移動、宿泊、観光などの局面で、外国人の行動は常に管理下におかれているように感じてしまうので、疲れることもしばしば。しかし、ここ陽朔では西街(Xijie)通りに沿って個性的な外国人用の宿が並ぶものだから、自由に宿を見て選ぶことが出来る。そして、なんといっても英語が通じてしまう中国では稀有な場所なのだ。人々の対応も極めて旅行者慣れしたもので、これはもう外国人向けのテーマパークといってもよい。そろそろ出たほうがいいな。

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TMP

Category : [Web]
Posted by snotch at November 4, 2002 6:14 AM

021104_10.gifエジプト、テーベの考古学データベース作成プロジェクトの成果が公開されている。その名も、"Theban Mapping Project"。僕が生まれた頃に始まり、現在に至るこのプロジェクト、膨大で緻密な作業にホント脱帽です。

About the Theban Mapping Project

Since its inception in 1978, the Theban Mapping Project (TMP, now based at the American University in Cairo) has been working to prepare a comprehensive archaeological database of Thebes. With its thousands of tombs and temples, Thebes is one of the world's most important archaeological zones. Sadly, however, it has not fared well over the years. Treasure-hunters and curio-seekers plundered it in the past; pollution, rising ground water, and mass-tourism threaten it in the present. Even early archaeologists destroyed valuable information in their search for museum-quality pieces.

Today, however, we realize that the monuments of Thebes are a finite resource. If we fail to protect and monitor them, they will vanish, and we and our descendants will all be the poorer. The TMP believes that the first and most essential step in preserving this heritage is a detailed map and database of every archaeological, geological, and ethnographic feature in Thebes. Only when these are available can sensible plans be made for tourism, conservation, and further study.

During the last decade, the TMP has concentrated on the Valley of the Kings. Modern surveying techniques were used to measure its tombs. From the data collected, the TMP is preparing 3-D computer models of the tombs. And of course, the TMP is continuing its excavation of KV 5. For the TMP staff, sharing their work with the interested public is just as important as what they do in the field. This has been done through a series of publications and this growing website.

at 広西省陽朔->南寧, 中国 on 16/Jun/1999

Posted by snotch at November 5, 2002 12:35 PM
 ここ陽朔から桂林 ( Guilin ) へ出て、バスを乗り継ぎ広西 ( Guanxi ) 省の省都、南寧 ( Nanning ) へ、そして一気に雲南 ( Yunnan ) 省の省都、昆明 ( Kunming ) へ行くことに決めた。丸一日、移動日。桂林にて、南寧行き夜行バスの出発を待っているまでの間、映画館に入ってみた。チケットを買って、入ってびっくり、なーんにも見えないー。客席どこなの?誰かいるの?状態。ジェームス・タレルの「Backside of the moon」ばりである。5分ほど経ってようやく座席と階段が見えるようになった。スクリーンも薄暗い。映画はというと・・・寝てしまいました。

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沖縄すば -瓦樹丸-

Category : [Fun]
Posted by snotch at November 5, 2002 8:08 PM

スローフードというのをご存じでしょうか。イタリア、ブラ(Bra)という片田舎からスタートしたN.P.O.運動で、現在、会員数7万を超えるとか。郷土食、地域に根付いた優れた食材、食文化を改めて見直そうという運動。このような動きは、世界中で次第に輪を広げつつあるようです。
最近沖縄料理がちょっとした人気となっているようです。新宿アルタ裏の沖縄料理屋には、数年前から月に2回はゴーヤ定食(980円)を食べに行かなければ気が済まない自分ですが、今日、西新宿でたまたま別のお店を見つけました。外観こそ、あまり洗練されていない雰囲気を放出してますが、中は心地よい極彩色で彩られ、煩わしい有線BGMではなく、現代版沖縄音楽が流れるすてきな空間。ゴーヤ定食(850円 inc. tax)を注文しました。ゴーヤチャンプル、昆布炊き込みご飯、沖縄すば(そばのこと、薄味だけどしっかりした魚のだし)、昆布と豚肉の佃煮、みそがついてこのお値段は、ホントに感動した。久々に外食で愛を感じてしまいました。
後から気づいたのですが、しっかりと「スローフード」って書いてありました。

location ::

All About Slow Food

The Italian association was founded in 1986 and its birth was celebrated in Barolo in the Langhe district in the province of Cuneo. The international movement was founded in Paris in 1989.
The definition contained in its Manifesto conveys a very clear message: a movement for the protection of the right to taste.
If Slow Food has grown into a large-scale international movement, with over 60,000 members in all five continents (of whom about half in Italy), it is precisely because the concept of ‘pleasure’ is a complex one encompassing many meanings and involving many aspects of our existence.
Slow Food's main offices, situated in Bra (Cuneo), a small town in southern Piedmont, employ about 100 people. They are the hub of a close-knit network of local grassroots offices in Italy and abroad, the so-called convivia, which promote the movement by staging events, debates and other initiatives. Thanks to the hard work and enthusiasm of their managers, collaborators and members, they provide continuous feedback to the central offices in Bra.
.......

at 広西省->雲南省昆明, 中国 on 17/Jun/1999

Posted by snotch at November 6, 2002 11:59 AM
 早朝5:30、南寧に到着。昆明への列車の切符を買うため、市内バスで駅まで行く。中国本土の列車を利用するのはこれがはじめて。軟臥、硬臥、軟座、硬座の順にランクが下がり、値段も安くなる。臥は寝台の意味で、あとは文字を見ていただければそれぞれのランクを想像してもらえると思う。拷問じゃあるまいし、なにも硬座なんていう名前にしなくても良いではないかと思う。ちょっと甘えて硬臥を買おうとしたが、あえなく 「没有 ( meiyou ) 」 で却下。硬座の切符を買った。まあ、席が予約できるだけありがたい。
列車の出発は 17:51なので、しばらく時間がある。駅に荷物を預けて、南寧の街中にある白龍公園へ。やしの木の下で、マージャン、楽器の演奏、デート、家族サービス、踊っている人など様々。なにか奇妙だ。

GoogleパワーがWebの脅威に?

Category : [Web]
Posted by snotch at November 7, 2002 12:47 PM

021107_10.gifイメージ検索、アドワーズ広告などで最近ますますGoogle の勢いが増してます。Web検索においては支配的な地位を獲得したといっても良いのではないでしょうか。「可能な限り多くのサイトに対して公正なアクセスを維持する責務を負っているので、Googleを”準・公的機関”として取り締まるべきだ」と言う人もいる。
何か調べものがあるときに、まずGoogleで検索をします。しかし、僕は億劫な人間なので、いつの間にかGoogle以外で検索をしない習慣がついてしまった。この記事を読んで反省しました。Google 以外の価値あるオンライン情報源にも目を向け、探す努力をしなくては。

Is Google power a threat to the Web?

Patrick Ahern has witnessed the power of Google--and the difficulties of trying to do business without it.

Data Recovery Group, where he is president, would typically come up around the fourth listing on Google's popular search engine last year. Then in January, when Google removed the company from its listings without explanation, Data Recovery saw a 30 percent drop in business.

"When you're No. 4 that plays well; when you fall off, you tend to lose phone traffic. And if you don't have the right relationship with Google to find out what you could have done wrong, you're out of luck," Ahern said, noting that this can have a dangerous domino effect. "If you're not ranked in Google, Yahoo won't list you. It's incestuous."

In the dot-com shakeout, Google has not only survived but reigns supreme. Web surfers have flocked to the service, effectively voting it the best search engine around. So powerful has Google become that many companies view it as the Web itself: If you're not listed on its indexes, they say, you might as well not exist. And if you don't advertise on Google or otherwise curry favor, critics add, you may never find out what it takes to get a prominent listing.

Pragmatists in the industry even say its dominance in Web search gives Google a new responsibility to maintain fair access to as many sites as possible, leading some to suggest that it be regulated as a quasi-public agency. Last week, for example, an Oklahoma marketing firm filed suit against Google in federal court charging that Google unfairly began listing the company lower in search results.

at 雲南省昆明 on 18/Jun/1999

Posted by snotch at November 7, 2002 10:34 PM
 列車は定刻よりすこしはやい 12:30 頃、雲南 ( Yunnan ) 省昆明 ( Kunming ) 駅に到着。昆湖ホテル、フロントの小姉は、なんとも無愛想だ。というか、これが標準だけれど、いままで陽朔にいたので「無愛想である」と感じてしまう。昼食を採った後、丸2日の移動の疲れがでて、しばらく昼寝。

目がさめると、夕方。宿で、タイ人の女の子と知り合う。北京に留学していたそうで、英語、中国語ともにかなり流暢に話す。夕食を食べながら、ずっとしゃべってくれた。きっと孤独なんだろうな。最近、北京がイヤになって、逃げてきたらしい。北京の食べ物も彼女にはあわなくて、ここ雲南までくるとラオスがすぐだから食事もタイ風味に近づくと言う。
タイではお嬢様だったんだろう。なんでもおじさんがタイの有名銀行のお偉いさんで、父親が日本人の大学教授(離婚)という環境で育ち、いきなり海外に出たものだから・・・。タイのクラブで歌を歌っていたとかで、散歩しながら歌をうたってくれた。

at 雲南省昆明 on 19/Jun/1999

Posted by snotch at November 8, 2002 11:05 AM
 今、昆明では、園芸の世界博覧会が開かれている。外国人は入場料100元とられると聞き、わざわざ郊外まで出かけて行く気を完全に削がれる。会場までいかなくても、街を歩けばそこかしこに博覧会マスコットのリンリンが幅を利かせていて、ただならぬ雰囲気。旗やシールのたなびき方も尋常ではない。

 道がとにかく広い。無駄に広すぎる道路に対してどう接して良いのかわからなくて案外困った。とりあえず,道のど真ん中でシャッターを押してみた。広すぎる道の真ん中に立つと、滑走路の真ん中に立っているようで落ち着かない。車が全く通行しなくても、端っこに行きたくなる衝動に駆られることが判明した。

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内海イズル +CD-R

Category : [Fun]
Posted by snotch at November 8, 2002 11:35 AM

内海イズルのCD(写真左)を購入した。すると、UTSUMI という印が押されたCD-Rをレジで受け取った。CD-Rにコピーして配れというメッセージなのか、はたまた・・・。ヘタな予測をする。
パソコンに挿入してすぐ判明したのだけれど、空のCD-Rではなかった。1時間ピッタリのトラックが1つ。CD-Rって、見た目そっけないメディアだと思っていたけれど、なにか、僕の為にリミックスしてくれたような、ふしぎな手作り感覚を感じてしまいました(勝手な感想ですが)。内海さんの聴いてもらいたいという気持ち、伝わってきた。

いすまくら

Category : [Fun]
Posted by snotch at November 9, 2002 2:12 AM

つい1ヶ月半ほど前にわざわざタイで買ってきた、いすまくら。
日本でも売ってるのに、結構重たいのを引きずって持ち帰りました。
見た目が全く一緒でも、値段によってコットンの質とその詰まり具合が異なるので、注意が必要です。
これだけは、絶対に固めの方がいい。
堅くないと、ただのまくらになってしまうので気を付けた方が良いです。
ちなみに僕が買ったのは、固めの方。
横に伸びる部分が、あと一段長くても良かったかな。

at 雲南省開元 on 20/Jun/1999

Posted by snotch at November 9, 2002 3:50 AM
 動物園に行ってみた。しかし、あまりにも動物たちがかわいそうで、ちょっとみていられなかった。駱駝なんて、駱駝の原型を今にも失いそうだったし。街を歩く。無意味に広場が広かったり、無意味に建物が大きくデンと構えていたり。狭い土地を分けあってきた日本人にとっては、きっと不思議な光景に映るでしょう。

 夕方、昆明を出発し元陽 (Yuanyang)に向かう。以前、旅行者から話を聞いて、行ってみようと思っていた場所のひとつ。元陽まで直接には行くこととができないので、一旦、ベトナムと昆明とをつなぐ幹線道路を南下する。ベトナムとの国境、河口 (Hekou) という町と昆明とのちょうど中間地点に位置する、開元 (开远, Kaiyuan)という街まで向かう。開元には22:00頃到着。手頃そうな宿があったのでチェックインを試みたが、日本人(外国人)とわかると、泊めてくれなかった。結局、一泊75元もする「~大酒店」に泊まるハメに。

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at Yuanyang, Yunnan, China (雲南省元陽) on 21/Jun/1999

Posted by snotch at November 10, 2002 10:37 PM
 朝一番にバスは出発。まず、幹線道路沿いに、个旧(Gejiu)という町まで行く。ここまでは順調。バスの人員が少なくなったので、別の元陽行きバスに合流して乗り換えさせられる。急に道が悪くなり、斜面に沿った崖っぷち道を走る。さらに少し進むと、道は紅河 (Honghe) に沿って走る。その名のとおり、流れる水が川岸の土と同じ濃い赤茶色をしている。水量が多く、色が濃いので、とても力強い印象の河だ。辺りには亜熱帯の植物が生い茂り、東南アジア独特の湿気を感じる。ここから南へ100kmも行くと、もうそこはラオス。
 中国の長距離バスは昼食時や夕食時には一旦停車をして,運転手や乗務員が腹ごしらえする.どこの、どの食堂に行くか,乗客にとっては運任せで,運転手の一存によって決定される.
 夕方になって,バスはどんどんと高度を上げ始めた.辺りには棚田が広がっていて,山の頂上付近に小さな町が見える.元陽到着.

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at 雲南省元陽 on 22/Jun/1999

Posted by snotch at November 11, 2002 11:40 PM
 中国は、国に公に認められているだけでも55の少数民族 [ China Internet Information Center ] が暮らす多民族国家だ。少数とはいっても、少数民族全体で1億近くの人口になる。我々日本人にとっても、チベット族、モンゴル族などは良く知られており、人口の多い部類の少数民族であるが,中国のなかで、最も多くの少数民族(人口の多さではなく民族の多様性)が暮らしているのはここ雲南省。

 元陽 (元阳, Yuanyang) 周辺には、傣(dai),彝(yi),壮(zhuang),哈尼(hani),苗(miao),摇(yao),など多くの少数民族の人々が実際に住んでいる。あたりまえのように民族衣装を普段着として着飾り、町の中まで野菜を売りに来たり、道端で世間話をしていたりする。本当に、皆とてもオシャレなのだ。

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at 雲南省元陽 on 23/Jun/1999

Posted by snotch at November 12, 2002 10:46 PM

中国の街で、元来漢人の住んでいなかった場所では、新市街、旧市街という形で、そこに住む民族によって街が完全に分離している。ここ元陽も、バス停のある周辺は漢人の街であって、本来ここに街が存在していたわけではない。中国政府の少数民族への対応に関して、少数民族の不満の声があることは確かなようだ。ここからさらに西へ200km程行った所に、西双版纳 ( xi shuang ban na ) という地域があって、独立運動が存在するという話を複数から耳にした。西双版纳まで行くと、文化的に(少数民族の)、ほぼタイ、ラオスと同じである。

政府としては、ここの棚田を世界遺産として登録しようと、あらゆる手段を試みているらしい。どうも、中国のお役所の手が入ると、その場所の魅力が半減してしまう。中国人観光客と、外国人観光客とで観光地に求めるものが違うと言われてしまえばそれまでかもしれない。でも、僕の感じたところでは、はっきり言ってセンスが感じられない。人工物は映画のセットのように、自然は箱庭のようになってしまうのだ。住んでいた人まで変わってしまわないことを願う。でも、ここの棚田だけはスゴイ。よくも、こんなに棚段を作ったものだと感心するし、見た目も美しい。

こんな山の上で夕陽に照らされながらダンスをしている。よく考えてみると、とっても贅沢なシチュエーションだ。

at 雲南省元陽->昆明 on 24/Jun/1999

Posted by snotch at November 13, 2002 10:11 PM

午後のバスで、再び昆明へ戻る。

中国の中長距離バスでは、寝台バスというジャンルが確立されている。「すごいじゃあないか」という声が聞こえそうだが、これがなかなか曲者なのだ。一人あたり、畳の半分ほどのスペースが割り当てられ、乗客は完全に横になることが出来る。横になるということは、つまり、結果的に靴を脱ぐことになる。すると、たちまち車内には芳香が漂い始め、出発する頃には嗅覚が幾分麻痺してしまう。全部が全部のバスがそのような状況であるというわけではなく、沿岸部ではあまり無いことではあるが、田舎に行くほどその確率は高くなる。今回のバスは中国で3度目なので、既に心構えも出来ているから大丈夫。でも、最初に洗礼を受けたときには、「うっ、マジ」としか発声できなかった。でも今は、窓締め切っていても全然、平気。人間、慣れるものです。

あまりにも有名な你好便所も、既にそつなくこなしている。元陽では、僕の人生において最強のトイレに出会った。まず、あまりに足元が危険で、穴まで絶対にたどり着けない。ここでするくらいなら、外で人に見られながらのほうがまだマシ。みんな、穴までたどり着けないものだから、危険なエリアがどんどんトイレの周辺に広がって、専らみんなトイレの入り口で用を足している。何のためのトイレなんだよ!と思ってしまうが、郷にいれば郷に従え、長いものには巻かれろ、である。

at 雲南省昆明 on 25/Jun/1999

Posted by snotch at November 14, 2002 4:48 PM

早朝6時過ぎ、昆明到着。
途中でパンクしたりで、予想以上に時間がかかってしまった。しかし、寝台バスは慣れると、以外と楽なものだ。道が良ければの話だけれど。先日宿泊していた同じ宿へチェックインし、9時頃まで眠る。
昆明の観光地らしいところにも行ってみようということで、西寺塔を訪れた。唐の時代(824-859)建立の塔。塔の周囲は小さな公園のようになっていて、一番外周に塀が巡らされている。入場するには、その塀の門をくぐらなければならない。塔のプロポーションは格好良いものではないと思った。なんだか、ずんぐりむっくりなのだ。
塔よりも、塔の周囲の広場で、皆熱心に麻雀に勤しんでいたのが印象的。

こんな意匠初めて見た!この地下道を降りて行くとどんなことが待ち受けているんだろうかと想像力をかき立ててくれる入り口だ。しかし、この「ようこその手」、あまりにもリアルすぎないだろうか?だって、手相の皺まで、克明に再現されている。「welcome」の気持ちはよく伝わってきますけど・・・。ひょっとして、売ってたりして。


園芸博覧会なのに・・・。

at 雲南省昆明 on 26/Jun/1999

Posted by snotch at November 15, 2002 8:34 PM
宿で出会った日本人旅行者が、どうしても石林 (shilin) に行きたいというので、バスに乗って同行した。昆明の南東約120kmの所にある、中国でも有数の観光地である。案の定、中国各地からやってきた観光客でごった返している。おそらく、迷子にならないようにと黄色いキャップを被っている人が多いのだが、ここではかえって判りにくいように思うのだけど。


 ひときわ大きな石柱や、形のユニークな石柱には名前が付けられていて、石の真ん中にその名前が、デンと朱で掘ってある。何故このようなことをわざわざするのであろうか。
 日本人はなるべく人の手が入っていないものを自然と見なす傾向があるし、あるいは、現実には人の手を入れるのだけれども、なるべくその人為的なものが表に出ないことを好む。自然のままの自然など、ごく一部の地域を除いては有り得ないことを皆わかってはいても、多くの人は、やはり”自然らしい”自然を好む。大抵、”自然らしい”自然に、「ああ、ええなぁー」となる。
 一方、中国人の場合はどうなのか。石の柱に「石林」と掘るというように、自然は自然らしくあるべきと言う考えは、あまり感じられない。また、その行動は、徹底した記号化であるとも言える。何か得体の知れない自然を、記号化する。漢字の生まれた国だけに、シンボル化の能力に長けていることは間違いないだろう。きっと,「StoneForest」では全然だめで、「石林」なのである。
 さらに行動をよく見てみると、必ず背景に石に彫られた文字と石柱をいれて、写真を撮っているようだ。何よりも、ここにいたという確固とした証明にはなるだろうけれど。


おまけ。モノクロの虹がでた

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Category : [Movable Type]
Posted by snotch at November 15, 2002 11:12 PM

過度なブラウザ開発競争によって、html は本来の役割である文書とその構造をメタ情報(タグ)によって記述するという役割を越えて、レイアウト、文字の色、大きさ、などアピアランスに関するメタ情報の記述を含めるようになってしまった。
実際の制作現場においては、表示に関する指定をスタイルシートだけに頼ると、現状では、レイアウトの自由度がかなり限られてしまう。ブラウザとバージョンによって、場合によって解釈結果が大きく異なることも問題。業務用途でコンテンツを作成する場合、主に上記の理由によってレイアウトのためにテーブル、レイヤーを使わざるを得ないため、スタイルシートの使用は、フォントの種類、フォントの大きさ、行間、マージンやパディングの指定の役割目的にとどまっているサイトが多い。

movabletype はデフォルトの状態では一切テーブル、レイヤー、fontタグが用いられておらず、文書構造とアピアランスに関する記述が完全に分離されている。また、生成されるhtmlは、XHTML 1.0 の規格に忠実にそったものとなっている。理想を追求した結果として、Netscape Communicator 4.7 には対応していない記述となってしまい、レイアウトがばらばらに解釈されてしまうし、ひどい場合にはクライアントのプロセスが落ちる。また、Internet Explorerにおいても、表示が一部欠けたり、罫線が突然消えたりと、スタイルシートに関する動作の不完全さが目立つ。Operaも程度は同じ。
レイアウトに関しても、解決したいポイントがある。自分のように写真を多用する場合、写真と文字の自由なレイアウトの為には現状ではテーブルを使わざるを得ない。マージンの処理等は簡単に解決できるが、複数枚の写真にたいする文字の回り込みがうまくいかない。
ブラウザにおける表示の不完全さはそのうちに改善されるであろうし、最終的に目指す方向性としては movabletype の方針が一つの解とはなりうるだろう。movabletype のようなシステムが、本来の html の役目に忠実にタグ付けを行ってくれることで、webでの有用なアーカイブの可能性が一歩開けるのではないかと期待している。

at 雲南省大理, 中国 on 27/Jun/1999

Posted by snotch at November 16, 2002 11:07 PM
 朝10時、昆明をバスで出発。下关 (xiaguan) 経由で大理 (dali) へ向かう。

 中国政府の西部大開発計画、世界博覧会、1997年に丽江 (lijiang)が世界遺産認定という、3つの要因と関係するのだろうか。高速道路は出来たばかり、マイクロバスは100km/h のスピードで走る。中国の南端にまで来て、このような高速道路を走るとは予想だにしなかった。僅か6時間で下关に到着。

 今、中国には、お金があるところにはある、無いところにはない。ものすごいスピードで開発が進む一方、その波において行かれたものは取り残されるばかり。よく、沿岸部と内陸部の経済格差が指摘されるが、もう少しミクロな視点、例えば雲南省のなかだけで見ても、経済格差によって生じた矛盾はいたるところに見られる。雲南の省都昆明と、雲南の地方における物価を比較した場合、物によっては2倍程度異なることもあった。

 日が暮れる頃、今日の目的地、大理に到着。第四招待所 (榆安园) に宿をとる。大人数のドミトリー形式の宿は、中国では始めてである。前にも書いたが、中国では外国人が泊まれる宿が限られていることもあって、たまたま今までにドミが無かったというだけの話だ。1ベッド1泊10元とお手頃な値段。中庭が広く、植物が生い茂っているので、日中でも涼しそうだ。そして、案内された部屋は全員日本人。陽朔と同様、集まっている場所には、集まっているものだ。

at 雲南省大理 on 28/Jun/1999

Posted by snotch at November 17, 2002 2:58 PM

大理の街を散策する。しかし、またもやテーマパークである。

土産物屋さんが軒を連ね、物売り、旅行者が闊歩する。lonely planet China 6th edition によると、大理は陽朔とならんで、中国で西洋人旅行者がバケーションを楽しむことのできる、数少ない場所のひとつだとある。ここでは、かなり'本物に近い'、カプチーノ、ピザ、チーズバーガー、親子丼、等々を食べられるのだが、これは北京でもなかなか無いレベルかもしれない。アジアの国々において、多くの場合、現地人が経営する食堂で出されるバックパッカー向け西洋料理、日本料理には期待を裏切られる。過去の旅で、カレー味の親子丼、チーズの入ったすき焼き、スパゲティと偽ったうどん、などいろいろ食べてきた僕の主観であるが、大理はレベルが高いと思う。

「おいしい中華料理を食べられるのに、何故、親子丼を食べるのか?」 もっともな問いだ。でも、食べられるときに食べておかないと、次に醤油風味に出会えるのはいつになるか全くわからない。西洋人からすると、日本人は醤油の臭いがするらしい。山手線なんて、醤油の臭いが充満しているらしい。僕たち日本人の体の成分には、きっと醤油が含まれていて、幾分、中毒性すらあるんじゃないかと思う。

大理には、外国人バックパッカーだけではなく、中国人の観光客も大勢やってくる。石林や陽朔と異なる点として、街がそれぞれのニーズに合わせるようにエリアが分かれていて、両方が共存しているところが面白い。外国人バックパッカーが中国の観光文化に触れることもできるし、逆も可能。食堂などは、中国人観光客と外国人バックパッカーが混在している。

大理石の大理に来て、ハンコを作らないわけにはいかないので、自分のハンコと土産用のハンコをつくってもらった。

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Category : [Movable Type]
Posted by snotch at November 17, 2002 8:42 PM
 
movabletype を例に、パブリッシングシステムにおける日本語文字表示に関して・・・
パブリッシングシステムのレイアウトを考える場合、タイトルはもちろん、本文の文章の長さが記事によって異なるということを念頭に置かなければならない。結果として、流体風のデザインをする必要が出てくる。記事の長さが変化しても対応できるということは、画面の大きさや解像度の変化に対しても柔軟に対応できるということにもなる。また、記事入力時に、入力者が全ての環境におけるアウトプットの結果を予測出来るわけではないので、再現性に十分な幅を持たせておく必要がある。以上の前提をふまえて、記事本文表示に関するスタイルについて考えてみたい。movabletype のデフォルトのスタイルシート中で、本文の表示に関係する部分は以下のとおり。

.blogbody {
	font-family:palatino, georgia, verdana, arial, sans-serif;
	color:#333;
	font-size:small;
	font-weight:normal;
	background:#FFF;
	line-height:200%;
}

英文の表示に関しては、ほぼ問題の無いスタイル指定であろう。ところが、日本語を表示させるとなると幾つかの工夫が必要になる。
まず、font-size について。記事の長さと、閲覧環境が大きく変動し、かつ、アウトプットが完全に予測できないということを考えると、当然相対サイズ指定が好ましい。見出しや記事の長さが大きく変動する場合、文字の大きさを絶対値で指定するメリットはほとんどない。また、絶対値でフォントの大きさを指定すると、ユーザがブラウザ操作によって文字の大きさを変えることが、一般にできない。その点で「small」指定は1つの解では有り得る。しかし、「small」 の解釈が IE とNN で異なるので、NNで表示した場合には小さすぎる。よって、100%~90%という指定が最も適しているように思う。
font-family については、各OSのゴシックの標準フォントを記述しておく必要があるだろう。特に意図がなければ、パソコンモニターでは明朝よりもゴシックのほうが読みやすい。
color については、画数の多い日本語表示には、#333よりも#000のほうが読みやすく、見栄えも良いと思う。ここの違いは微妙。
line-height は、英文よりも若干狭くても、支障無いように思うので、170%としてある。ここも、相対サイズ指定が好ましいことは、font-sizeの理由に同じである。
letter-spacing は、1px入れてやるとずっと読みやすくなる。これがないとずいぶんと窮屈な印象を与えてしまう。
結果、以下のようになった。どうでしょうか?
.blogbody {
	font-family: verdana, Helvetica, 
	"ヒラギノ角ゴ Pro W3", "MS Pゴシック", "Osaka", sans-serif;
	color:#000;
	font-size:90%;
	font-weight:normal;
	background:#FFF; 
	line-height:170%;
	letter-spacing:1px;
}


  


at 雲南省大理 on 29/Jun/1999

Posted by snotch at November 18, 2002 11:57 PM

大理からバスで30分ほど北へ行ったところに、周城 ( Zhoucheng ) という町がある。この町は藍染めで有名ということを聞いていたので、ぜひその現場を見てみたいと思い、訪ねた。幹線道路から少し入ったところに大きな木が2株そびえていて、その周囲は広場になっている。そこにはどこからともなく人が集まり、露天も出ている。どうやら此処が町の中心のようだ。町というよりも村といったほうが僕等の感覚には近いかもしれない。藍染めを行っている民家を探して歩き回るのだが、いっこうに見つからない。この辺りの民家は、どこも周りが高い塀で囲まれていて、外からは内部の様子が全くうかがい知れない。中国的だと言ってしまえばそれまでだが、中が見えないぶん、家や蔵の妻壁の意匠に様々なバリエーションがあって、外から唯一見える部分だけはオリジナリティを出そうとしている様がおもしろいなと思った。

歩き回るうちに、藍染めの民家を見つける手がかりを発見した。道の脇に水路があるのだけれど、そこが藍の色で染まっている水路と、そうでない水路があることに気づいた。つまり、藍の色で染まっている水路に沿って、藍が流れてくる方向にさかのぼってゆけば、たどり着けるということだ。とある藍染めの民家の中庭に入れてもらい、藍染めの様子を見せてもらった。そこには、味噌を仕込むときのような大きなたるが3つあって、染まり具合の程度によって順番に染め上げてゆく。初めのほうは、緑色をしていたものが徐々に染め上げられていくにつれ、濃い藍の色に染まってゆく。藍の強烈な香りをはじめて体験した。

藍染めの布を3枚ほど購入させてもらい、周城をあとにする。そこから喜州 (xizhou) という村まで徒歩で約2時間ほど。町の雰囲気は周城と似ているのだが、道がより狭くて迷路状になっており、道の両脇は民家の塀でふさがれているので、さながらイスラムの迷路状都市を彷彿させる。閉じれば閉じるほど、唯一外から見えるファサードの意匠は凝ったものになるのだろう。格子をはめたり、様々な形の風穴を開けたり。
喜州の村の入り口にあるバニヤンの大木は地霊を感じさせるごとく立派なものだ。おそらく白鷺なのだが、木の上に大量の巣を設けていて、糞で葉っぱも地面も真っ白だ。

movabletypeしよう 001

Posted by snotch at November 19, 2002 12:42 PM

MovableType の日本語環境セットアップと、PC UNIX環境にて運用を開始するまでの過程を、何回かに分けてまとめてみたいとおもいます。環境をお持ちのかたは、ぜひこの素晴らしいツールを試してみてください。

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at 雲南省大理 on 30/Jun/1999

Posted by snotch at November 19, 2002 11:31 PM

自転車のことを、中国語で書くと、自行车 (zixingche) である。
自行车をレンタルして、洱海湖 (erhai hu) へ。大理の東側はずーーっと田圃が広がっている。湖沿いの村までは、思った以上に距離があった。村は湖に沿って細長く伸びている。

この時間の流れの遅さは一体なんだろう。老人たちが何をするでもなく、たむろして話をしている。僕がそばを歩いていても、いっこうに彼らの視界に触れていないらしい。

と、どこからともなく香ばしい香りがしてくる。屋台の揚げ物屋だ。洱海湖では、魚やえびがよく採れるらしく、湖の岸辺には、漁のためのボートが連なって停泊している。きっと採ったばかりのえびなのだろう。くしに刺して唐揚げにする。塩と唐辛子で味付けをして、わずか3分で出来上がり。それはそれは至福のひと時でありました。

at 雲南省麗江 on 01/Jul/1999

Posted by snotch at November 20, 2002 1:12 PM

朝8時のバスで大理を発ち、麗江 ( 丽江 lijiang ) まで約5時間。

麗江バスは、新市街に到着したので、いわゆる古城と呼ばれる旧市街のなかにある宿へ。てっぺんにラジオの放送アンテナのある小高い丘を越えると、目の前に古城の景色が広がった。石畳の細い路地を通って丘から街へ下って行く。古城の中心、四方街のすぐそばにある、四方客栈という民家を改造した宿にチェックイン。丽江へ来たら、是非旧市街にいくつかある民家宿に宿泊することをお勧めする。宿の話はまた後日。

021120_10.gif丽江は、主に雲南や四川に住んでいる纳西 (naxi) 族という少数民族の拠点として有名である。現存唯一の象形文字とされ、TRON OSの「超漢字」で扱うことが出来るということで一時話題にもなった、トンパ (东巴) 文字は纳西族によって継承されてきたものだ。最近まで母系家族制度が受け継がれてきたので、今でも纳西族の社会生活にはその影響が見られる。言葉についても、例えば、ある名詞に「女性」という単語を付け加えると、その名詞のイメージがより強い印象に拡張されるらしい。「石」+「女性」は「巨石、岩」を、「石」+「男性」は「砂利や小石」などと解釈される。僕等は砂利なのだ。

古城の周辺を探索していると、それぞれの民家の軒先に奇妙な板がぶら下がっているのをみつけた。時計の針のようでもあるし、象徴的なもののようでもある。どういった由来なのか、ご存じの方いらっしゃいますか?

at 雲南省麗江 on 02/Jul/1999

Posted by snotch at November 21, 2002 10:29 PM

纳西族の伝統的民家は、漢族、ペー族、チベット族の民家の伝統的な様式の影響を強く受け、特徴的な形態をもつ。正面とわきの家屋、そして目隠しの壁によって囲まれた「三合院」が主な形で、「三坊一照壁」とも呼ばれるが、四合院もすくなくない。家屋に囲まれた中庭には、花卉が植わって、とても落ち着きのある空間をつくっている。今回宿泊した宿、四方客栈は、元々大きな民家であったところを宿に改造したもので、玄関や中庭などのつくりがそのまま活かされていて、この上なく素晴らしい宿だと思った。朱に塗られた柱梁が鮮やかで、観音開きの戸や窓にはきれいな図案が精緻に透かし彫りされている。部屋は中庭に面した1階であったのだが、部屋の向かいの「一照壁」にあたる部分に小さな戸がついていて、そこを開くと目の前を水路が流れているという贅沢さだ。


丽江は水の町としても有名だ。古城一帯に網目のように水路が張り巡らされていて、現在でも、野菜を洗ったり、洗濯をしたりと、生活の中で活かされている。丽江のすぐ北側にある玉龍雪山(5,596m)からの水が流れ込むので、常に綺麗な水が流れ続けている。また、下流において長江に合流する金沙江(jinshajiang)という川のほとりにあるということもあって、水には非常に恵まれた土地である。
でも、大雨には要注意。昨日の晩に突然大雨が降りだして、水路の水かさがあっという間に道のレベルにまで増加。呑気にビビンパを食べていた僕は、夜遅くまで宿に戻れなくなってしまったので。


古城の西側にある獅子山 (lion hill)という小高い丘に登ると、古城の風景を一望できる。僕は、朝夕と通った。瓦屋根が折り重なるようにして連続するのだけれど、屋根の向きが道の曲線にそってすこしずつ変化していったり、屋根の色が朝夕で変化したりと、見ていて飽きない。丘に近づくにつれて屋根が大きくなっているようで、日当たりのいい場所にはお金持ちが住むんだなあとか、煙の立っているところはきっとおいしい食堂なんだろうなあ、などといろいろ想像して楽しむことが出来る。きっと10回も見たら飽きるかもしれないが、5回はいけるハズ。


四方街の角にある家に住んでいた人が亡くなられたようだ。二人の男が、大きな木をくり貫いて棺を作っていた。昨日の晩、今日と、爆竹の音が鳴り響く。


at 雲南省麗江 on 03/Jul/1999

Posted by snotch at November 22, 2002 10:09 PM


Dr.Ho という名の漢方で有名な医者が住んでいるという、百沙 (baisha)村へ行く。丽江からは、バスで20分程度のところ。バスを降りて、村の奥のほうへしばらく歩いてゆくと、Dr.Hoらしい人物が声をかけてきたが、予想と大きく印象が異なっていて、とっても胡散臭いなあと直感で感じてしまったので、あしらってしまった。あとで判ったことだが、写真をみてやっぱりニセモノだったことが判明した。でも、ひょっとしたら弟子だったかもしれないな。

ひたすら山のほうへ歩いてゆくと、草っぱらが広がっていて、黄色や青の小さな花がたくさん咲いている。突然、土砂降りの雨に見舞われて、びしょ濡れになるし、寒いし、おなか空いたし、ずいぶんと無目的に歩いてしまったことを少し後悔しながら引き返した。

at 雲南->四川省 on 04/Jul/1999

Posted by snotch at November 23, 2002 3:55 PM

なぁーっ、財布掏られた!!
丽江を発って攀枝花 (panzhihua)へ向かうバスの中だ。バスターミナルでコーラを買ったから、そのときには財布は確かにあった。バスに乗って出発前に財布がないことに気づいたから、正確には、バスに乗るときのごたごたに紛れて掏られた可能性が高い。あああ、自分の迂闊さを後悔するが仕方ない。移動なので昨日両替したばっかりで、100ドル分ほどの中国元と、以前バンコクで作った偽国際学生証が入っていたのになぁ。バス休憩の昼ご飯は、中国元のキャッシュがないのでオーストラリア人のマークが貸してくれた。

今日は日曜日じゃないか?ということは、銀行も休み。ということは、両替できない。攀枝花なんていう田舎で、カードやドルが使えるわけない。明日の朝まで野宿かな?

夕方、攀枝花に着いた。攀枝花は、雲南省と四川(sichuan)省のほぼ境にあって、ここに来るまでまったく知らなかったのだが、鉄鋼の生産で有名な場所。また、昆明(kunming)と成都(chengdu)をつなぐ鉄道路線上に位置する町でもある。駅前に銀行を見つけ、日曜なのに開業していたからラッキーと思って入っていくと、両替業務は取り扱っていないとのこと。「財布なくして、中国のお金が一銭もないのだよ」と、僕の中国語の知識を最大限に使ってアピールしたところ、彼らも人の子、両替してくれた。財布取られたのに、なんだかうれしくなってしまった自分をなぐさめるので精一杯。マークといっしょに硬座に揺られて、成都にむかう。

at 四川省成都 on 05/Jul/1999

Posted by snotch at November 24, 2002 2:12 AM

今回の硬座はホントに硬かった。午前10時過ぎ、四川省の省都、成都(chengdu)北火车站に到着。
宿に着くなり、洗濯を済ませ、気づいたときには夕方だった。今回の宿は、Chengdu college traditional medicine。その名の通り、大学の敷地内にある宿なのだが、とても清潔で広くておまけに安い。さらに、宿の小姐(小姉)は、きっと学生のアルバイトなのだろうが、とっても愛想が良くて生き生きと働いている。お勧め。
食において、成都といえば陳麻婆豆腐が有名であるが、火锅(火鍋 huoguo)のお店が軒を並べているのを良く目にする。火锅という料理は四川省に入って初めて知ったのだが、要は、ビビンパで使うような分厚い石鍋の中に、ご飯と具を入れて、店の前の強力なコンロで、バチバチジュージューいう頃合いまでそれを熱し、熱い熱いと言いながら食べる食べ物。おいしくて安い。旅が進むにつれ、中国の料理文化のすばらしさをますます身に感じるこの頃。

movabletypeしよう 002

Posted by snotch at November 25, 2002 5:15 PM

「movabletypeしよう」前回は、movabletypeインストール条件のチェック、及び、動作に必要なサーバソフトウェアの準備を行いました。今回は、movabletype のインストール環境の設定を行い、実運用の準備を行います。

Continue reading "movabletypeしよう 002" »

at 四川省成都 on 06/Jul/1999

Posted by snotch at November 25, 2002 11:57 PM

成都の中心部へ歩く。巨大な毛沢東像が右手を斜めに挙げて立っている。是非とも行きたい非解放地域があるので、成都の公安事務所まで旅行証をとりに行った。人が沢山なのと、公安職員のやる気が限りなくゼロに近い様子なので、こちらのやる気が吸い取られる前に、建物を出てきた。恐るべし中国公務員。
仕様がないので、陈麻婆豆腐(陳麻婆豆腐 chen mapo doufu)のお店へ行く。chen お婆さんが始めたことから麻婆豆腐という名前でよれるようになったという話は、あまりにも有名だ。しかし、この料理、お婆さんが作ったとはとても思えない。唐辛子と山椒が山のように入っているので、3分の1程食べたところで、もう口の中が完全に痺れてしまう。どう考えても、やりすぎです。この麻婆豆腐は。

at 四川省馬爾康 on 07/Jul/1999

Posted by snotch at November 26, 2002 5:52 AM

朝5時半起床。旅をしていると、基本的に早寝早起きになる。

西門バススタンドから、马尔康(馬爾康 ma er kang)行きのバスに乗り、成都を出発。道はぼこぼこだが、バスは頑張っている。途中、「リング」の海賊版VCDがバスのテレビに映し出され、スピーカーからは長渕剛の「とんぼ」が流れるという奇妙な体験をした。バスはぐんぐん高度を上げ、標高約4040メートルの峠を越えた。乗り物酔いに弱い人が多いのか、軽い高山病なのか知らないが、気の毒に何人かの漢人が苦しそうにしている。本来ならこの辺りは絶景のはずなのだけれど、乗客が車内に嘔吐している以外は、霧が濃くて何も見えない。

马尔康は、成都から北西に道なり300km強の所にあって、四川省アバ州の州都の町で、元来ここに住んでいる人々は、完全にチベット文化圏に属する人々である。夕方、19時前に何とか到着した。马尔康到着の少し手前で、一瞬、石造りのチベット民家が並んでいるが見えた。チベット・・・いい響きだ。

at 四川省馬爾康 on 08/Jul/1999

Posted by snotch at November 27, 2002 5:13 PM

町の北側には、马尔康(マルカン)の町が一望できる高台があって、マルカン・ゴンパがひっそりと建っている。もとは、ボン教の寺であったが、現在はチベット最大の宗派であるゲルク派の寺。途中でヤギに襲われそうになりながら、マルカン・ゴンパまで山道を登る。ゴンパを肉眼で目にしたのは、今回が初めてだ。時折、町に住むチベット人がお祈りに見えるほかには、行き交う人も人の気配もなく、とても静かな寺だ。マニ車もはじめて実物を目にした。まわしながら回ってみた。まだ、よくわからない。

at 四川省馬爾康 on 09/Jul/1999

Posted by snotch at November 28, 2002 2:50 PM

朝食に油条(youtiao)を食べる。豆漿(doujiang)という甘い豆乳に浸しながら食べる人が多い。でも、僕はいまいち好きになれない。たまに(今日も)おいしそうだなと思って食べてみるが、やっぱり食べた後に後悔する。朝から揚げ物を口にするということに、まず、抵抗がある。
モモ(蒸し餃子)を弁当にもって、此処から西に10kmほどのところにあるというチュポ(直波)村へ歩く。村の名前が、まず格好良い。

この辺りのチベット人の民家には、立派な建物が多い。しっかりと石を積み上げた立派な風格、窓の縁を鮮やかに色付けし、家の周りには花を植える。チベット文化圏においてここほど植生豊かな環境は、まれだろうと思われる。もともと、家を石で作ることからもわかるけれど、自然環境が厳しいために、家を建てられるだけの木が採れないという状況のもとで暮らす文化をもつ人々だ。だから、こんなにも深い緑の中に、石積みのチベット民家を見るなどとは思いもしなかった。
3時間ほど歩いたところで、ちらほらと塔状のものが見え始めた。直波碉群と呼ばれるこの塔は、かつて城砦の見張り台として用いられたとか。こんな場所で、見張るものなどあったのであろうか?それから、まったく人の気配がしないのが不気味だ。日中は働きに出かけているのかな?

at 四川省紅原 on 10/Jul/1999

Posted by snotch at November 29, 2002 6:18 AM

朝6:15一発のバスで红原(紅原 hongyuan)に向かう。1日一本しかバスがないなんて、どんな所に行くのかなと、楽しみだ。马尔康を出発してすぐ、崖崩れが道をふさいで通れない。20分ほどかけてみんなで土砂を取り除いて、やっと通れるようになったのだけれど、今にも落ちてきそうな巨大な岩が崖崩れの部分のバスよりもちょっと高いところに引っかかっていて、どうか崩れないでくださいと本気で祈った。バスは、どんどんと高度をあげながらゆっくりと走る。2,3時間もすると、遠くの山がだんだんとなだらかになり、視界には草原が広がるようになる。もう、红原にほど近いかなというあたりまでやってきて、極端に道が悪くなる。どろどろでぼこぼこ。結局30km移動するのに、バスで6時間かかった。時速5kmじゃん。

遊牧民の家族@紅原そら@紅原チョルテン@紅原

红原は標高3410m。でも辺り一面が湿原で、山にいるという感じがしないから、標高が高い所にいるんだなという実感は全くない。真夏だけれど、日陰にいると寒いくらい。周囲の湿原は、黄河の支流カルチュ( 白河 bai he )によって生じたもの。周恩来率いる中国共産党が、1934年に始まる紅軍の長征において、このあたりの底なし沼地に大いに苦労させられたことから、红原と呼ばれるようになったらしい。はるか遠くから、こんな所にまで歩いてきたなんて信じられん。ほんの70年前の出来事。

at 四川省紅原 on 10/Jul/1999

Posted by snotch at November 29, 2002 11:32 PM

at 四川省紅原 on 10/Jul/1999

Posted by snotch at November 29, 2002 11:56 PM

ルンタ(rlung rta)とは、「風の馬」
チベットの寺、家々、峠には、ルンタを刷った5色のタルチョ(dar lcog)が風にはためく