January 26, 2003

殺伐志向

マラソン予定地を考えるついでにもう少し。

以前働いていた飲食店のオーナー夫人は、砂漠が好きらしい。
その店はどちらかというととても人間臭い町にあるので、
少々意外だったのだが、どうも若い頃から好きらしい。
別に密な人間関係の嫌さから、という訳ではないようだ。
ロシアとか道東、埋立地なんてたまらないらしい。
アラブの砂漠なんてのもかなりいいそう。

自分はその場では、やはり街がいいと言ったのだが、
本音を言うと、その気持ち、わかります。
ただ、若い身空でそれを認めてしまうのは、どうも不謹慎な気がして、
同意をしなかった。ただ、求めているものは微妙に違う気もするが。

殺伐なところに身を置くと、思考がクリアになる気がします。
刹那的な思考から離れ、もう少し、なんというかうまく言えないが、
より長期的だか中期的だが、遠くだかなんだか、
そんなような頭の働き方を可能にする気がする。

北海道は、生まれ故郷の贔屓目かもしれないが、
そういった要求を満たしてくれる土地だと思う。
パリダカのサハラ砂漠の映像なんか見ていると、かなりよさそう。
深夜のNHKの減力放送中もかなりいい。

同じ砂漠でも、鳥取砂丘はだめですね。小さすぎ。
あの県でのお勧めは、三仏寺投入堂です。
殺伐感はないですが。でも、心身ともぎゅんぎゅんします。
北欧のフィヨルドなんて、こっち側かな。ぎゅんぎゅんしそう。

一度、戦闘下の国に行ったことがあるのだが、
不謹慎にもそこでまず感じたのは、「美しい」ということだった。
日頃、特に女性に対しては美しさという尺度はなく、むしろ加護ちゃんあややマンセーだが、
ぼこぼこの町、太く長く続く道路、うごめく人々、等々、
けたくそ悪い建物郡が視界から消え、人の営みが露見する町の姿は、美しかったのだ。
こんな殺伐も、いいわけないが、心地よかったりした。
別に戦争を肯定しているわけではない、念のため。


でも、そういった殺伐志向は、ひとまず忘れようと思う。
愛想が悪くなりそうなので。

Posted by nei at January 26, 2003 01:07 PM | TrackBack